サビ問題解決事例

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来島どっく支線20年目の調査

2005年5月17日に、ジャパンカーボライン社浅井直弘氏とともに、四国電力来島どっく線送電鉄塔の現地調査に行きました。  

この来島線の送電鉄塔は1985年(昭和60年8月)にカーボマスチックチック15グレーにて塗装されました。当時来島どっくは最盛期でして、確か停電時間が8月の2、3日しか確保できなかった記憶があります。  

カーボマスチック15Jの本格的な採用でありましたので、私も現地で立会いました。沖合いに台風がいまして大変暑い日でした。混合前に氷でカーボマスチック15Jの缶を冷やし、液温を計ってから現地塗装した思い出がありました。  

来島どっく支線鉄塔塗装工事報告書(1985年)を参考にしてください。  
現地調査は、「外観観察」を主体に行いました。写真の撮影もしました。

(全体の印象)
来島どっく支線の3つの送電鉄塔を観察しました。いずれも海に近く、環境としては過酷な箇所に建っています。  さすがに20年の歳月を感じます。表面はチョーキングしていました。しかし塗膜の「はがれ」や「めくれ」は全くありません。

健全に老化していました。今風に言えば生活能力はありながら加齢してい健康な高齢者といえるでしょう。  

健全塗膜を5段階評価といたしますと、3つの送電鉄塔は「2~3」段階評価です。特に海に一番近い鉄塔が3段階評価であることには驚きました。

私が20年前に立ち会った思い出深い鉄塔です。いずれの鉄塔も塗り替え時期であります。再塗装も同じカーボスチック15Jをお薦めいたします。

またカーボマスチック15HB(厚膜タイプ)も製品化していますので、検討いただきたいと思います。

新来島どっく内にある鉄塔も同時期に塗装されていました。

関連加工工場内の鉄塔

関連加工工場内の鉄塔の接写写真。チョーキングはしていますが、塗膜の剥がれや、めくれはありません。

20年前私が立ち会った鉄塔です。海は僅か80メートル先にあります。船だまりがあります。

観察した3つの鉄塔の中で一番状態が良かったです。はがれもありません。

一部チョーキングにより消滅した塗膜も見られました。
20年という歳月と、海岸近くという条件を考慮すれば、カーボマスチック15Jは合格点がつけられると思います。

OP(合成樹脂調合ペイント)の層間剥離(そうかんはくり)  

塗装した直後柔軟であった塗膜ですが、溶剤分や樹脂分が抜けだんだんと硬くなり、収縮します。現場は屋内ですが、層間剥離した様子です。一般的な塗料はすべてこうなります。

カーボマスチック15Jは、来島どっく支線の送電鉄塔のように海に近く過酷な条件にもかかわらず、一切こうした「層間剥離現象」はおこしていません。

▼参考資料

来島どっく支線鉄塔塗装工事報告書(1985年)
来島どっく17年目の観察