Q 一般家屋の鉄骨部(手すり・鉄骨階段)などの防錆塗装についてのご相談がありました。
私は家の事に全く無頓着で、昭和55年築(1980年)の木造で平成8年(1996年)に引っ越し後、家の外壁や鉄骨の塗装など、一切何もせず今日に至りました。
今年初めに黒っぽいカスのような物が玄関先に落ちていたので、やっと気づいた次第です。
ご近所ではこまめに手入れをしているので私の家がかなり汚いのが目立ちます(-_-;)
最近は塗装業者さんやリフォーム屋さんが「塗装しましょう」「改築しましょう」とうざいぐらいに毎日のように売り込みに来られます。
鉄部の錆のひどい箇所は一部穴が空いているところもあります。
ある業者は「穴の部分はアルミのテープで目張りし、その上に防錆塗料とペンキを塗装します。」とのこと。別の業者は「鉄骨の表面や中に穴が空いたり空洞になっているので、シリコンを注入しないと駄目です。その上から錆び止め塗装をする。」と言います。
正しい防錆塗装のやり方と言えるのでしょうか?
A 「アルミのテープで穴を塞ぎ塗装する」なんて論外ですね。実際にありました。鉄骨部をアルミのテープでごまかして塗装していた酷い実例です。
https://www.nc-21.co.jp/case/post_22/(こうなる前に防錆管理士にご相談を)
結局 鉄骨部の施設は後で撤去されました。役所の指名業者である設計事務所が10年ほど前に改築計画を立てていました。防錆塗装の知識はまるでない会社でした。それゆえ手摺や床面や屋根はきちんと再処理していますのに、鉄骨階段と鉄部の柱と支柱は従来型の油性錆止め塗料とOP(合成樹脂塗料)の仕上げ。錆で穴のあいている部位はアルミテープを張り、その上に塗装していました。完全な「ごまかし」でした。
結局私が「撤去したほうが良い」と申し上げたので、その自治体は鉄骨階段と鉄骨の柱と屋根の部位をすべて撤去しました。多額の余計な費用がかかりました。もったいない話です。
設計事務所でも工務店でも塗装についてはほとんど詳しくはありません。皆さん勉強してませんから。わたしが田舎の1塗料販売店にすぎないのに、「防錆屋」というホームページをこしらえましたのは、電力会社や官公庁の鉄構造物維持管理者専用チャンネルの予定でしたが、開設しますと一般の人からの問い合わせがとても多かったからです。
またシリコンには防錆効果は全くありません。
シリコンはガラス窓に使用したり、壁の目地に注入したり、防水などに使用される材料ですね。シリコンを使用されるのであれば、その前にラストボンドやカーボマスチックのような防錆塗料を先に塗装してから使用しないといけないですね。
家屋や車のサビ対策の相談でした。それでいつも錆に悩んでいた東京渋谷のビル管理者の方には、ラストボンドとカーボマスチック15Jを販売し、ご自身で塗装していただきました。
https://www.nc-21.co.jp/case/cat23/000375.html
また静岡の工場経営の方ですが、自社の工場の塗装にカーボマスチック15Jをお買い上げになりご自身で塗装されました。
https://www.nc-21.co.jp/case/cat45/000124.html
アパート経営の方もご自身で塗装されました。
https://www.nc-21.co.jp/case/cat45/000122.html
ご相談の文面から察するに、業者の方は防錆塗装の知識があるとは思えません。
穴が空くほどの錆であれば、それ自体の取替えも含め再検討されたらいかがでしょうか?
ご面倒でなければ、現場の写真でも送信いただけましたら、ある程度の診断は可能であると思います。
写真はこのご相談事例とは別の事例ですが同じようなことです。鉄骨階段の腐食がひどく、防錆塗装以外に鉄骨溶接で補強したことでした。