Q 橋梁補修で主桁(H型鋼)の劣化状況を調査し、補修計画を立てています。
昭和40年代前半の建造物と推定していますが、橋歴板や資料が無くはっきりとは分かりません。
しかし河川等の整備年代から推定すると40年代前半は間違いないと推測されます。だとしたら旧塗膜種類はどのようなものなのでしょうか。
また、腐食面積と錆の評価判定方法で、目安としてわかりやすい図(例)はありませんでしょうか?
A 橋梁の場合は「橋歴板や資料」がたいてい残っていると思います。ないと言うのであれば、推測して一般論で申し上げるしかありません。
昭和40年代初めと言えば、高度成長時代で、全国各地の道路や橋やトンネルなどの社会基盤整備を全国的にどんどん大量にやっていた時代ですね。塗装仕様は錆止めはJIS規格の油性錆止め塗料。上塗りは合成樹脂調合ペイントである可能性が高いですね。
英国あたりからMIO(雲母上酸化鉄)という中継ぎ塗料も入って来ていまして、油性錆止め塗料2回塗り、MIO塗りで上塗りに当時出回って来始めた塩化ゴム系塗料(強溶剤)2回塗りという仕様もありました。
せいぜい塩化ゴム系塗料の錆止めプラス塩化ゴム系塗料。海上橋などで、もしくは有機エポキシジンクリッチ塗料に塩化ゴム系塗料なども登場し始めています。
ある橋の写真です。38年間に一度もメンテナンスされていません。環境条件の良い山間部でも添付写真のようになります。
中国のように乾燥した土地であれば、昔ながらの油性錆止め塗料と合成樹脂調合ペイントの組み合わせでも錆びません。
日本は世界で4番目に降雨が多い国なので、写真のように30年以上経過すれば錆びるのが普通です。
ご質問の「腐食面積と錆の評価判定方法で、目安としてわかりやすい図」は、目視による観察で判断します。
表面を目視で判断します。錆面が目立つような状態でありましたら、全面錆落とし作業をされてください。
上の写真のような状態になっておれば、全面的な錆落とし作業を入念にいたしませんと、防錆塗装はできません。
もう一つの目安は「塗膜の劣化度判定です」
https://www.nc-21.co.jp/consulting/consulting1/
古い塗膜が「なんであれ」、セロテープとカッターナイフと定規で、カットし、テープを貼り付け、
、剥げた旧塗膜の状態で、旧塗膜の生死判定をします。「死んでいる」と判定されたら、全面剥離するしかありません。