Q 先日旧車のレストア用にラストボンドSGを購入しました。硬化時間が長く流動性も高いようで、塗膜が少しでも厚くなると下側に流れ溜まりが出来てしまうので、極く極く薄く塗っています。
乾燥後は黄緑色の膜が出来ているのでちゃんと塗れているとはおもうのですが、上記の様な極く薄い塗り方で防錆効果のある25μの膜厚が出来ているものでしょうか?(薄塗でちゃんと防錆性能を発揮するのでしょうか?)
またラストボンドSGは乾燥時間の長短によって錆への浸透深に違いはあるのでしょうか?違いがあるのなら夏場より乾燥時間の長い冬場に使った方がいいのかと思いまして。(硬化乾燥時間が長い方が防錆効果はありますか?)
ラストボンドSG塗装後の様子 ↓
A 2つの質問がございました。個別に回答させていただきます。→が回答文です。
1)ラストボンドSGの膜厚について
ご指摘の通り、ラストボンドSGは、塗料というよりシーラーです。二液混合型の無溶剤型のエポキシシーラーですが、粘度が低く塗りやすいです。
立面に塗装しますと、厚膜に塗るとすぐに垂れてしまいます。錆層深く浸透する性能があります。表面の膜厚は25μと薄くても、錆層深く浸透していますので、錆を抑え込むことができます。そのあたりの説明はHPにて「ラストボンドSGの特長」に記述させていただいています。
塗漏れがないようにちゃんと塗装なさっていれば、ラストボンドSGの防錆効果は期待できると思います。
再塗装なさる場合作業で1番重要なのが下地調整(素地調整・錆落とし作業)であり、塗膜寿命に及ぼす影響は49%といわれています。
ブラストを打ち金属光沢まで露出すれば、きちんと素地調整したと言えますが、手工具などでの素地調整作業では錆を完全に除去できません。
除去できない状態で、通常の錆止め塗料を塗装されても、錆層の表面にフィルムを形成するだけで、錆層深く浸透しません。
ラストボンドSGは、錆層深く浸透し、錆を抑え込む性質があります。HPの説明にある通りです。
「 特殊樹脂の配合で毛細管効果旧塗膜の目に見えない割れ目や隙間、あるいは端や周囲から染み込み、回り込み、そしてシールします。 またかなり腐食の進んだ錆にでもサッとしみ込み安定した素地を作り上げ防食力がアップします。 アングル材の背あわせ面、リベットやボルト等の隙間腐食防止に効果があります。また痛んだ黒皮にもよく浸透し固めます。」
錆層はフレーク状になっていて、数多くの巣穴があります。そのなかに空気と水分が含まれています。ラストボンドSGはその錆層の巣穴に浸透し、
巣穴を埋め、空気と水分を取りこみ浸透します。錆層の中の水分と空気(腐食因子)を追い出し、埋めますので、再度の腐食因子の侵入を防ぎます。
→そのあたりがラストボンドSGの最大のノウハウであり、特長です。
2)ラストボンドSGの硬化乾燥時間について
「ラストボンドSGは乾燥時間の長短によって錆への浸透深に違いはあるのでしょうか?」とのご質問ですが、乾燥時間の長短で防錆性能への違いはありません。
ラストボンドSG(一般用)の使用可能な温度帯は10度から40度までです。
気温によって反応硬化時間が違いが、乾燥硬化時間になっています。錆面深く浸透させるために、乾燥硬化時間を遅く設計しています。
それゆえ可使時間(刷毛塗での塗装可能時間。過ぎますと増粘して塗装が出来なくなります)より、乾燥硬化時間が長めです。
以下は可使時間と乾燥硬化時間の目安です。
ラストボンドSG (一般用)可使時間と乾燥硬化時間の目安です。
10度 可使時間 8時間 乾燥硬化時間 60時間
20度 可使時間 4時間 乾燥硬化時間 24時間
30度 可使時間 2時間 乾燥硬化時間 10時間
一般的に塗料は「20度・湿度70%」で設計されています。塗料の性能表示には、各塗料メーカーなどのカタログには「20度」と言う表示がされています。20度・湿度70%で試験を行い性能を表示しているのです。
ラストボンドSGの塗装するのに1番お薦めする温度帯は、最低気温が10度以上、最高気温が20度以上でしょう。
その気温帯であれば、丸1日で乾燥硬化し、翌日か、翌々日に上塗りが可能になります。
長文となりましたが、回答以上です。