Q 「ケレン」という言葉を聞きますが、意味を説明してください。
A 「塗工用語」の1つであり、国語辞典などにも掲載されていません。
業界用語です。
「錆落とし作業」や「素地調整作業」とも言われています。塗装する前段階は、塗装作業では特に重要です。その作業がいい加減ですと、のちに塗膜の剥離や、早期の錆発生などが起きるからです。再塗装の場合はとくに重要です。
素地調整の定義はISO規格などで厳格に規定されていますが、日本の場合は慣例的に「1種ケレン」「2種ケレン」「3種ケレン」といい素地調整の定義が使用されています。
(1種ケレン) |
旧塗膜・さび・黒皮等を完全に除去し、金属光沢をした鉄の地肌を出した表面とします。尚、1種ケレンも3段階あります。「ホワイトメタル」「ニアホワイトメタル」「コマーシャルブラスト」です。処理方法はショットブラスト・サンドブラストです。施工時には飛散もしますし、大きな音も出します。使用される箇所が限定されます。既存の設備関係や、市街地での屋外使用はまず出来ないでしょう。 処理グレードは ホワイトメタル>ニアホワイトメタル>コマーシャルブラストです。 |
(2種ケレン) |
強固に付着している塗膜は残し、錆や劣化塗膜は完全に除去します。 処理方法は 電動工具であるディスクサンダーやジェットタガネ等を使用します。規定された2種ケレンを達成するには、かなりの時間と労力がかかります。 ワイヤブラシ、スクレッパーなどで錆の箇所や劣化塗膜を除去します。ディスクサンダーも使用します。 |
(3種ケレン) | 処理方法は手工具であるワイヤブラシ・スクレーパー・マジックロンなどと一部電動工具を使用します。原則ラストボンドSGやカーボマスチック15Jは3種ケレンの状態でも塗装可能です。 |