憧れのイタリアの古代ローマ遺跡。是非訪問したい場所です。
塩野七生著作の「ローマ人の物語」を近くの図書館で借りて読みました。読んでいまして、古代ローマの壮大なスケールに驚きます。なぜローマ帝国は広大であり、長い間帝国は維持されたのか?
「すべての道はローマに通ず」という項目で1巻あります。これはローマ人の公共事業について書かれてあります。道路網は帝国全土に張り巡らせています。石で舗装され、馬車が通行できるようになっていまして、軍隊の移送や物資の輸送の役割を果たしています。
本の表紙にある石畳の道路は4頭立ての場所が悠々とすれ違いが出来、歩行者用の歩道も側道としてちゃんと整理されていたとか。ローマ帝国に異国から侵略があれば直ちに軍隊が出陣し早く行軍するための道路であったようです。水はけも良いようにこしらえてあったとか。
石畳の道路は非常時には軍用道路としての活用ですが、日常的には帝国同士の地域間交流や公益に大いに活用されていたようです。その道路を500年も維持管理していたと言うのですから、現代の私たちもそのやり方を大いに学ぶ必要があると思います。古代社会で重機や建設機械のない時代で長期間維持管理していたのですから。
水道は高架橋やトンネルを建設してにより水源地から都市部へ運ばれています。大河には石積みで橋が架けられています。今の時代であれば、地方にも高速道路と高度情報通信網(インターネットなど)がすべて行き渡り公共サービスを国民全てが享受していることになりますね。
首都のあるローマやイタリア本土だけでなく、軍事的に征服した地域も属州として、ローマ帝国本国と変わらぬ公共設備をこしらえています。道路や水道、浴場や競技場などが帝国各地で建設されています。
殆ど無料で使用できたとのことです。ローマ時代は税金も上がらなかったそうですし。
高知県で言えば人口の少ない東端の東洋町や西端の宿毛市。人口500人の大川村にも高速道路と光ファイバー・ネット通信が完備していて、しかも500年間維持管理していたという事になります。
最近の地方切捨ての日本政府の政策。人がいないところに高速道路など無駄だと言う議論が都市部の人達が主張しています。そこまでいうのなら、ゴミなども都市ですべて処理すべきでしょう。田舎の山林へ産業廃棄物など捨てないように。原子力発電所も都市部の海岸へ建設すべきでしょうね。当然発電所から出る放射性廃棄物も都市部で処理していただきたい。地方へ放射性廃棄物は持ち込まないでいただきたい。
ローマは地域間の不均衡などなかったようです。また宗教や習慣の多様性には寛大で一つの価値観を押しつけることはしなかったようです。国のあり方で考えさせられました。ですので、あまりにスケールの小さな最近の日本の指導者の発言にはがっかりしますね。
政権が交代しましたが、どの程度変化するのか、田舎から「この国のありかた」を見つめています。特に公共施設の維持管理について「防錆屋」は注目しています。