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「橋の寿命100年構想」に貢献したい

昨年国土交通省は全国にある橋梁を「耐用年数100年とする」ことを発表いたしました。従来の新設橋梁建設優先からしますと方針の大転換です。

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 従来は橋の寿命を60年と試算していたようです。現在全国14万(うち12万以上は地方自治体所有物)あると言われる橋の6%が耐用年数を過ぎているそうです。あと20年しますと高度成長期に建設された橋が60年になりはじめます。全体の47%半数近くが架け替えしないと駄目と言う事態になります。

  そうなりますと架け替えの費用で財政は破綻します。また交通渋滞で損失する費用も莫大なものです。それを防止するために国土交通省は橋の耐用年数を100年に伸ばす為の技術支援や財政支援を自治体に行うようです。

  従来は維持管理の費用の補助措置がないため、無償で国から橋を譲渡された自治体は財源の余力があるところは維持管理をしていました。しかし余力のないところは全く維持管理がされていません。「公共財」のありかたとしては日本の場合は大問題です。

 1980年代に財政破綻があいついだアメリカの自治体。建築後50年経過した橋や高速道路が災害でもないにも突然崩壊することもありました。道路は陥没し、河川の堤防は修繕されない状態も財政難から放置されていたようです。

 記憶に残っているアメリカ、ニューオーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナによる甚大な被害は、堤防改修が十分にされていない「人災」であるという指摘もされています。当時イラク戦争に予算も人材もつぎ込み社会基盤整備を怠ったブッシュ政権の政策も厳しく批判され、2006年の上下議会の中間選挙での共和党の大敗北になったとも言われています。またその流れが2008年民主党オバマ大統領誕生につながっているのでしょう。

 高知県には建設後全くメンテナンス(塗り替え)されていない橋も多くあります。無償で国から自治体に譲渡されたものの、自治体の予算規模ではメンテナンスできていない「錆びた橋」が多く存在しています。写真の橋は何年か前に早明浦ダム周辺へ行きまして撮影しましたが現在はどうなっているのでしょうか?

 防錆と言う観点からは潮風も、化学薬品の雰囲気もなく、山間部でとても環境が良いところです。それが「錆橋の見本市会場」のようになっています。ここまで錆びると防錆塗装作業は大変です。

 また左側の写真はある自治体のハーバーの桟敷席の鉄骨部です。6年ほど前に改修され床の防水や屋根や手すりは新装されましたが、肝心の鉄骨部は防錆対策がなされず錆が酷い状態。調査を依頼され現地へいきました。ハンマーでたたくと柱に穴が状態。危険なので撤去を進言しました。現在撤去されています。

 貧乏県の高知にはそれがとても多くありますし。国土交通省も自治体も窓口を広げ、私たちの「防錆塗装システム」の採用も是非検討いただきたいものです。

 私は営業一筋で来ました。私の経験と知識を社会資本である日本の鉄構造物を維持管理し、防錆するためのお役に立ちたいと思います。そのためには官公庁の皆様も防錆システムを検討される場合は「考え方をバリヤフリー」にしていただきたいです。

「良いものはどんどん取り入れる」気概を持っていただきたいです。そうすれば日本の公共財は、保持され橋も100年は維持されることは間違いありません。