Q 建築現場の塗装を工務店から依頼されましたが、どうやら鉄の階段が黒皮のまま十分な素地調整をされていない状態で、茶色の錆止め塗料が塗装された状態で現場に搬入されていました。
雨だれがたれる箇所は、茶色の錆止め塗装が剝がれ、黒皮状態がむき出しになっていました。こんな状況ですがカーボマスチック15は塗装可能でしょうか。また防錆力を発揮できますか?
A 大変難しい状態ですね。結論から言いますと 黒皮面には塗装は出来ません。
その理由を列挙します。
①黒皮面は表面がテカテカで硬く塗料が付着しません。
②黒皮面は油脂などが露出していて塗料が付着しません。
③鉄工所などでは錆防止のためか、しばしばグリースなどを塗り付けている場合があります。
④脱脂も入念な素地調整(電動サンダーなどで2種ケレン相当)をしていないようですね。であるならば、塗料は黒皮面には全く付着していません。簡単に剥がれます。
(結論)
このような状況では、現場での防錆塗装作業は不可能です。カーボマスチック15も塗装できません。どんな塗料も塗装できません。
最近は官公庁仕様(橋梁など)は、素地調整は1種ケレン(ブラスと処理)で黒皮面を完全にはがして除去し、ジンクリッチプライマーを塗装しています。