防錆Q&A

防錆Q&A

1898年につくられたフランス・パリ市のエッフェル塔や、1937年に建設された海上橋であるアメリカ・サンフランシスコ市のゴールデンゲートブリッジは、錆びていません。なぜでしょうか?

エッフェル塔やゴールデンゲートブリッジや東京タワーは、都市のシンボルになっています。観光資源にもなっていて通行料や入場料を徴収しています。
なにより管理者側に「長期間維持する」という強い意志があるからです。

錆対策は計画的な塗装計画から

フランスパリ市にあるエッフェル塔は、1898年「パリ万国博」を記念し建設されました。 1909年に取り壊される予定でしたが、遠距離無線電信の施設として活用されるようになりました。 1887年から89年にかけて、300人のとび職人によって建設され、高さは300メートル(現在は320メートル)、総重量は7000トンとか。 

維持管理するために、約七年ごとに塗りかえられています。使用されるペイント量は50トンとも言われています。 そのため、現在(2001年)でも、建設から112年経過していますが、観光施設、通信施設として現役で活躍しています。 

1958年に完成しました東京タワー。この施設も五年に一度の周期で、全面塗装されています。塗装総面積は78000㎡、使用されるペンキ量は28000㍑、ドラム缶140本分とも言われています。

米国サンフランシスコ市にあるゴールデンゲートブリッジは、1937年に完成しました。 常に橋のどこかで塗装工事が行われています。

ギリシャ神話の「ジジュポス王」が受けた罰同様に、塗装作業員達は、いつ終わるともない塗替え作業をしています。 私は個人的に、1988年と89年に当地を訪れました。二度とも塗装工事をしておりました。

海上で、常に強い風が吹く環境下では、橋の防錆対策は大変だと思いました。

一方高知県などの山間部の鉄の橋梁。
塗装環境は、ゴールデンゲートなどよりも遥かに良好ですが、計画的な「塗替え計画」が存在しなかったために、塗替えの適正時期を超過し、「錆だらけの橋」になっています。

私達の課題は、こうした地方の重要な社会資本を守ることです。新設時点で、塗替え時点で、「ライフサイクルコスト」の低減化を計画できる塗替システムでなければなりません。 私達がそのシステムを構築し、提案いたします。

こうなる前に防錆対策相談を・・・

私は「防錆管理士」という資格を所有しています。
最近とても腹立たしいことがありました。
ある自治体から「現地調査していただきたい。防錆塗装で持つのか、どうなのか判定していただきたい。」との依頼がありました。    

そこで、いつも電力会社などで行っているM・A・P(Maitenansu Audit Program)の一環で調査しました。「塗膜診断システム」をしたのです。

MAP調査活動(塗膜診断調査)の例です↓

調査当日は、ハンマーと写真機、それと碁盤目試験器も持参しました。指定された調査場所へ行きました。

 

ハンマーを持参し軽く鉄骨部を叩いてみました。するとこぶ状の錆が落下、更に軽く叩きますと鉄骨部に穴が開きました。これは酷い錆。

 

基礎の部分はコンクリート内部で鉄骨部が錆び体積が膨張いわゆる「バクレツ」現象がおこっていました。
防錆塗装対策を全然鉄骨部ではしていないようです。6年前の改修でも考慮されていませんでした。

 

6年ほど前の改修工事では屋根と床面の防水、それに手摺(アルミ製に取替え)はきちんとされていました。
屋根を支えるべき
鉄骨部がどうしてきちんとした防錆塗装がされなかったのか不思議です。    

調査しますと今から6年前に屋根や手摺、床などはきちんとコストをかけて改修していました。ところが塗装は海辺に近いのになんと「油性錆止め+OP塗りの2回塗り」いたるところにアルミテープを鉄骨に貼り付けて上を塗装しているお粗末さ。    

建築設計事務所が調査しているに、きちんとした防錆塗装を改築仕様書では指示していないのです。  「犯罪」に近いのではないかと防錆管理士として腹がたちます。こういう具合に防錆塗装がないがしろにされるのを見ますと。。

こうなる前に相談いただきたかったと思いますね。 

対策

ひどい錆の鉄骨部は除去し、屋根を活用するのであれば補強が必要でしょう。補強した場合の防錆塗装につきましては「ラストボンドSG+、カーボマスチック15J 2回塗り」を推奨いたします。

 塗装条件は、現場の環境によってすべて異なっています。
ご要望があれば現地調査し、最適の長期防錆システムを提案いたします。また塗装後の追跡調査も行っています。  
 塗料を単に販売するのではなく、塗膜診断システム、長期防錆システムを提案しています。 「ライフサイクルコストの低減」「環境負荷の低減」も提案いたします。