Q 鉄塔の塗装時期の選定について教えてください。
A 鉄塔の劣化度測定の目安があります。
1995年のジャパンカーボライン社の資料に、「鉄塔の劣化度測定の目安」が写真入りで「カーボマスチック15J 鉄塔編」に掲載されていました。
現場サイドの見極めは、「目視による判定」と、簡単な「付着強度試験」しかありません。
また塗装してある場合は、「塗装履歴の調査」も合わせて必要です。
【溶融亜鉛めっき劣化グレード】
劣化度1 全般に純亜鉛層、合金層Bが安定した状態。白錆も認められる。塗り替え時期としては速い。 |
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劣化度2 全般に合金層Bにおおわれ、一部純亜鉛層が存在している。 塗り替え時期としては「最適」です。 |
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劣化度3 全般に合金層Bまたは、Aに覆われており、エッジ面には薄い錆層が認められます。 |
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劣化度4 亜鉛めっき層が平均に腐食せず、点状に進行しています。点錆の発生が認められ、点錆は深く進んでいます。 本状況は比較的,塩害の影響を受ける地域で認められます。塗り替え時期としては「遅い」です。 |
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劣化度5 エッジ面及び周辺の錆が進行しています。 一部は素地からの発錆が認められます。塗り替え時期としては「遅い状態」です。 この場合は素地調整は入念に行わなければなりません。 |
【塗装塗膜劣化グレード】
劣化度1 全般にふくれ、剥離、発錆等はありません。塗り替え時期としては速い。 |
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劣化度2 上塗り塗膜が「チョーキング(白華)」により減少、下塗りの塗膜が一部認められます。 |
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劣化度3 塗り塗膜がチョーキングにより減少、下塗り塗膜が露出しています。 下塗り塗膜のみでかろうじて、防錆されています。塗り替え時期としては「やや遅い」です。 |
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劣化度4 亜鉛めっきと塗膜の層間からの剥離が認められます。劣化状況としては「最悪」です。 劣化塗膜を完全に剥がしませんと、再塗装しますと短い時間に剥離します。塗り替え時期、判定には十分検討してください。 |
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劣化度5 塗膜が劣化し、点錆発生が認められます。塗り替え時期としては「遅い」です。 |
結論
劣化度2、劣化度3の状況で再塗装するのが経済的。
それ以上放置しますと多額の維持管理費用が発生します。
素地の亜鉛を「生かし」ながら長期防錆対策をしてください。
その場合に、カーボマスチック15J、カーボコートタワー16が一番塗料適正があります。
塗膜には寿命があります。カーボマスチック15Jは劣化しても「剥げたり、めくれたり」しません。
塗膜は消滅し、簡単なケレンで再塗装できます。