防錆Q&A

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夏場における二液混合型塗料の注意点について

Q 外気温が30度を超える季節になりました。そうなりますと、ラストボンドSGやカーボマスチック15Jは、反応硬化が早まるのではないでしょうか?

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A 人間の体もだらだらと汗を掻き始める季節になりますと、二液型の反応硬化型塗料(エポキシ樹脂塗料・ウレタン系塗料)の塗装には、冬場とは異なる注意が必要になります。
 まず「可使時間」ですが、反応硬化型塗料は基剤と硬化剤との分かれています。それを混入いたしますと反応し、塗膜を形成いたします。どちらか一つでは液体のままですね。

 

 その反応硬化する際、発熱します。そして遂には塗装できなくなります。
ラストボンドSGの場合は、可使時間は30℃で約2時間です。カーボマスチック15Jの場合はもっと短く1時間です。

 
 しかし実際には34度とかいう気温に夏場はなります。それは(昔は日陰の百葉箱で計測したような)気象台発表の気温です。実際都市部ではエアコンや自動車の廃熱や、舗装道路の照り返しなどで気象温度より遥かに気温は高くなっています。
 
 ラストボンドSG同様、二液反応硬化型塗料のカーボマスチック15Jの事例で報告いたします。

 私も昔送電鉄塔塗装で経験したことがあります。外気温が日陰で38度。カーボマスチック15Jでしたが、2液を混合したら、あっという間に固まり、塗装できなくなりました。

 停電時間や作業日がその日しかないため、古い風呂桶に私が近くの市場で一貫目の氷を購入、蓋をしてカーボマスチック15Jを冷却して混合しました。液温が26度に下がり、正常に塗装できました。(写真上部に写っているのが古い風呂桶です。)

 ラストボンドSGなどの小さなセットの場合は、釣り用などのクーラーに冷却材を入れ、少し冷やして混合したら良いかもしれません。

 可使時間は長くても、乾燥時間はそれほど早くはなりません。ラストボンドSGで30℃で10時間、カーボマスチック15Jの場合は16時間かかります。

 

 防錆力のある「ラストボンドSG」と「カーボマスチック15J」は、夏場は「可使時間は短いが、乾燥硬化時間は長めにとること」を心がけ下さい。