Q 私は今中三なのですが、理科の自由研究で「サビ」について研究させてもらっています。こんなことを質問するのは失礼かもしれませんが、いくら文献探しても解答が見つからないんです・・・もしよろしかったら私の疑問を解いてくださいませんか?
「錆びることに光と温度は関係しているのか」ということが知りたいんです。お願いします!!
A メールありがとうございました。大変レベルの高い自由研究ですね。 私も専門的に化学などを勉強していませんので、きっちりしたお答えはできません。
ご質問の「錆びることに光と温度は関係しているのか」ですが、現段階では、私のほうからきちんとした回答はできません。
それこそ12年前に勉強しました防錆技術学校の教科書には「一般に温度が上がると腐食は促進されるが、酸化剤であるO2の溶解度が減少したり、皮膜の保護性が向上するので必ずしもそうではない。」と書かれています。
光に関しましても、塗料などの耐性をより早く、実験室で調べる為に「対候促進試験」というのをします。その場合「サンシャインカーボンアーク」という光源を使用します。太陽に似た光を発生させます。
関係はあるとは思いますが、「どうしてどう関係するのか」、という説明にはなっていませんね。
尚、私の方でも調べます。夏休み中にはお答えできないと思いますが。
それから「日本防錆技術協会」のホームページもあります。
http://www1.sphere.ne.jp/jacc/
そこは学者や技術者が会員にいらっしゃいますので、お手数ですが問い合わせてみてください。
またメーカーより回答頂きました。
特に文献を調べて回答しているわけでは在りませんが 下記回答になれば幸いです
光の影響:直接はないと考えられます。
理由:さびは鉄がイオンとして水に溶け、酸化した状態ですから鉄と酸素と導電性イオンを含む水が必須要素です。光は直接は作用しないと理解しています。 ただし、昼光色(太陽光)には紫外線や赤外線が含まれ赤外線(熱線)は温度そのものですから赤外線はさびを早めるといえます。(高温な場合は分子運動が活発になり 鉄のイオン化(溶解・酸化)が促進されるからです)塗装した鉄の場合、紫外線で塗膜が劣化(ぼろぼろになる)しやすく、塗膜がなくなればさびやすいので紫外線の影響が間接的にさびを早めるといえます。
温度の影響:大いに関係あります。
理由:さびる現象は化学反応なのでイオンとイオンのぶつかり合いの機会が多いほど 活発な変化(さびやすい)ことになります。温度が高いと池の金魚が冬より夏のほうが元気なようにイオンは元気よく動き回りよくさびることになります。さびだけでな く化学反応のすべてが温度が10度高くなるごとに約2倍のスピードに早くなります。
沖縄は北海道より気温が高く鉄の腐食(さび)はより大きくなります。塩害も原因しているでしょうが、車が痛みやすいとも云われています。温度が高いと水の空気に対する蒸発量が増えて絶対湿度は高くなりますから塩分などがあるとべたべたして濡れた状態になりやすくまた水に溶けやすい腐食性ガス(亜硫酸ガスなど)の濃度もあがるのでなおさらさびやすくなります。
一方で水がなくても鉄を高温に焼くと黒くなりますがこれもさびの一種で黒皮といいます。水がなくてもさびるということで乾食といいます。