防錆Q&A

防錆Q&A

鉄は何故錆びるのでしょうか?

Q 鉄は何故錆びるのでしょうか?

 

 

A 1.「錆びる」とは

錆びるとは

鉄は地球上に金属として存在することは稀です。殆どは、酸化物、硫化物、炭酸などの「塩」として存在しています。

これらの化合物をコークスとともに1000度以上で加熱還元してはじめて鉄が得られます。その鉄は不安定であり、例えば、鉄粉を空気中にさらすと、熱を発して酸化します。(その応用がホッカイロです) 板状の鉄も鉄粉ほどではありませんが、「空気中で、水分の存在下」に表面から「酸化」され、酸化鉄(安定した状態)になろうとします。それが錆です。

錆の多くは、塩素イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオンなど「腐食促進要因」を含んでいます。錆の状態は鉄素材の質により異なります。また鉄構造物が置かれた周辺の環境によっても異なります。

 

2.錆のメカニズム

鉄の錆は、「鉄と環境」とが「反応」して初めて生じるものです。 
鉄が錆びるためには、「鉄を溶解する水分」と「溶解を促進させ、安定化させるための酸素」が必要なのです。

「水分」と「酸素」が鉄を錆させる原因なのです。 電気化学的反応によって、鉄は腐食します。局部電池を形成します。 
必ず陽極(anode)と陰極(cathode)が形成され、電解溶液が加わると錆が形成されるのです。 鉄の表面に水滴が付着します。水滴内に陽極(anode)と陰極(cathode)が形成され、水滴内の溶存酸素の働きもあり、局部電池が形成されます。

鉄(Fe)イオンが融けだし、錆が形成されます。とくに溶接部分は、電位配置が規則正しくないので、錆やすいです。防錆対策を計画される場合も、「鉄は安定していないもの」であり、腐食要員である「水分」と「酸素」を遮断する方法手段でなければならないのです。

なにも処置をしなければ、「錆る」のが自然なのです。鉄面でも錆のひどい箇所と、ひどくない箇所があります。それは鉄の素材の関係(溶接部は腐食が早い)と、水分などの付着の要因があるからです。